愛のむきだし

園子温愛のむきだし』2009年

京都みなみ会館で見てきた。

f:id:kushigemaci:20180325150342j:image

数年ぶりのオールナイト上映!

満員すぎて、まさかの補助椅子!

 

みなみ会館の閉館前の最後のオールナイトに行けたっていうだけでも感慨深いし、久しぶりの深夜の京都の空気とか、春の始まりの心がざわつく感じとか、全て含めてものすごくいい時間を過ごしました。

 

んで、愛のむきだしについて。

どえらいもん作ったなというのが第一印象。面白かったけど、なんか癖が強いというか、疲れる映画。ドストレートに向かってきて、観るものをヘトヘトにさせる、このエネルギー量が素晴らしいと思った。

まだ納得していないのに、力技で納得させられるというか。信仰とか、聖書の言葉とか、原罪とか愛とか、それってどういうことなんだろう、この作品で描かれていることと、わたしが考えていることとは違うかなとか、、、考えたかったのに、考えさせる隙を与えない。勃起が愛なのか?そうなのか、あ、はい。ってひとまずなってしまう映画。

そしてやっぱり、西島隆弘満島ひかり安藤サクラの3人が抜群によかった。西島隆弘のそこはかとなく漂うピュアさが、映画に少し清涼感を与えて、馴染みよくしていたように思う。安藤サクラはもう怖すぎて、うますぎて。『100円の恋』の安藤サクラもすごくよかったけど、奇怪さをあれだけ迫力と説得力をもって演じきるという点において、コイケ役は安藤サクラしかいないかも。最高にハマっていて、よかった。

百円の恋

百円の恋

 

 

 

ああ、満島ひかり。愛しいすずめちゃん。この人のオーラというか輝きには、敬服せざるを得ない。なんて美しいんだ、なんて愛くるしいんだ。わたしはキネマ女優が大好きだけど、普段スクリーン上の彼女たちに抱く憧れの眼差しとは全く違う目で、満島ひかりを見つめている。人種や年齢が近いからだろうか。生身の人間として、ちょっと悔しく思ってしまうくらい、強烈に惹きつけられてしまう。ヨーコ自身には、モヤっとするというか、サソリにコロリと落ちてる割には、コイケの嘘に騙されてしまったり、なんか妙にフワフワしてるところとか、どないなっとんねん!と若干入り込めないのですが、満島ひかりに押し切られる。

なんだか全体的に、一度見ただけでは語り切れない映画だな。長いのもあるし、それだけじゃないところでも、圧倒的な熱量みたいなものに、慄いてしまって、何がなんだったのかよくわかんないままに終わってしまったように感じる。この圧が園子温なんだろうか?

愛のむきだし [DVD]

愛のむきだし [DVD]